族に追われピンチ
- 2024.05.10
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私が高校生だった時はヤンキー全盛期、そのため、友達の多くは暴◯族に入っていた。
友達、「買ったの?」
私、「〇〇先輩に買わされたんだよ」
私が先輩から買わされたのは、マフラー等を改造した族仕様のバイク。
そのバイクで友達らとツーリングに出掛けた。
私が買ったのは、あくまで族仕様であり、本物の族車ではない。
族仕様のバイクでツーリングをしていると、本物の族車集団がやって来た。
私、「どうする?」
友達、「どうするも、こうするもないだろ」
族仕様のバイクに乗る私達は、本物の族車集団から逃げることにした。
アクセルを全開にしても、先輩から買わされたバイクは、思ったほどスピードが出ない。
私が必死になったのは、一緒にツーリングをしている友達から遅れを取ったから。
後方からは、本物の族車集団が迫って来ており、捕まるのは時間の問題。
どうする、俺?
都市部なら捕まっても、ギャラリーが見ているためボコボコにされることはないのだが、私が走っているのは田舎道。
どうしよう?
ボコボコにされたくない私は、バイクを捨てて山に逃げた。
山に逃げた私のことを、本物の族車集団は笑っている。
気掛かりは、買ったばかりのバイク。
このシチュエーションだと、バイクを壊されることが多いのだが、何故か本物の族車集団は何もしない、どうしてだ?
太陽が沈むと、本物の族車集団は帰って行った。
恐る恐る自分のバイクに近付くと、「無い!」、「バイクのカギが無い!」。
暫くすると、私を置いてきぼりにした、友達らが戻って来た。
友達、「何もされなかったか?」
私、「カギだけ盗まれた」
友達、「ということは、あとでバイクを取りに来るんだよ」
私、「どうしよう?」
友達、「スペアキーはないの?」
私、「ない」
友達、「だったら、鍵屋さんを呼んで作ってもらえよ」
友達が鍵屋さんを連れて来てくれた。
私、「急いで作って下さい」
鍵屋さん、「はいよ」
鍵屋さんが合鍵を作っていると、バイクの音が近付いて来た。
友達、「マズイよ」
私、「どうしよう?」
友達、「俺、帰る」
私、「えー、置いてかないでよ」
友達、「ごめん」
友達らに再び置いてきぼりにさせられ、鍵屋さんと2人きりになった。
近付いて来たバイクに乗るのは、私が山に逃げることになった本物の族車集団。
その集団のリーダーと思われる男が、鍵屋さんにペコペコしている、どうしてだろう?
鍵屋さん、「コイツら、僕の後輩なんだよ」
助かった!
これをキッカケに、私は鍵屋さんの後輩がいる集団に入れてもらった。