夏の思い出
- 2024.06.10
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仕事中、妻からメールが来たことは気付いていたが、どうせ、大した用事ではないだろうと思い、妻から届いたメールは見なかった。
仕事が終わると、同僚に「飲みに行かない?」と誘われ、居酒屋へ行った。
居酒屋に入ったのは20時頃、店員さんに「ラストオーダーです」と言われ店を出ると、最終のバスにギリギリ間に合った。
バスの運転手さんに、「お客さん着きましたよ」と起こされバスを降りると、「ここ、何処だ?」。
「シマッた」、酒に酔って、降りなければならないバス停を寝過ごしてしまった。
バス停にある時刻表を見ると、始発のバスが来るまでには7時間以上ある、どうしよう?
困った私は、妻に電話したのだが、寝ているのか出てくれない。
妻に何度も電話しても出てくれないため、子供にも電話をしてみたのだが、子供も出てくれない。
バス停に置き去りにされ退屈だった私は、メールをチェックしてみると、妻からのメールのタイトルに「家を出ます」があった。
「家を出ます」って、どういうこと?
そのタイトルのメールには、子供を連れて実家に帰ると書いてあり、家のカギは新婚当時に置いていた場所にあります、と書いてある。
新婚当時に置いていた場所って何処だ?
家を建てたのは結婚をした年、その翌年に子供が生まれ、現在、子供は11歳だから、新婚当時とは今から12年も前のこと、そんな昔のことなんて覚えてないよ。
始発のバスが来る7時間も待ってられないため、歩いて2時間掛けて家に帰ると、家のカギは掛かっており、何度チャイムを鳴らしても誰も出てくれない。
妻からのメールに書いてある、新婚当時に置いていた場所にある家のカギを探してみたのだが、全然見付からない。
朝になってもカギが見付からないでは近所の人に笑われると思い、スマホで調べた鍵屋さんに来てもらった。
自分の家であることを証明するために鍵屋さんに身分証を見せると、それから僅か数分で鍵屋さんは玄関を開けた。
料金を支払う時に、鍵屋さんに「新婚当時は、家のカギを何処に置いていましたか?」と聞いてみると、
鍵屋さん、「うちは鍵屋なので、家の外にカギを置くようなことはしません」
と、まっとうなことを言われたのだが、鍵屋さんが家のカギを探すと、僅か数分でカギを見つけてくれた。
私、「どうして分かったのですか?」
鍵屋さん、「鍵屋ですから」
カッコイイ。
妻と子供は、子供の夏休みが終わると、帰って来てくれました。
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