家の鍵をなくした時の絶望感

NO IMAGE

“仕事から疲れて帰る時は、今日は何をしようかなと思いながら、ルンルン気分で帰っていました。
いつものようにポケットに手を入れましたが、ゴツゴツした感触がない。
おかしいなと思って別のポケットをまさぐってもない。
何度も同じようにポケットに手を入れても見つからず、そんなことはないと否定してもやはりありません。
目の前が真っ暗なるようなあの絶望感は今でも忘れられず、もう、家で何をしようかと幸せな気分は完全になくなりました。
いつどこでなくしたのか、分からず、途方にくれていました。
家の中に入れないという事は寝る場所もなく、ましてや給料日前ということもあり、あまりお金を使いたくありませんでした。
ましてや鍵の交換なると1万以上無くなることを考えると、どこかでお金を借りないといけない。色んな事が頭を悩まされました。
おまけにタンス貯金をしているので、銀行で引き出せる額も大した額ではありませんでした。
諦めて父親にお金を振り込んでもらい、どこかに泊まろうと考えていた時に、携帯を取り出すと『ちゃりんちゃりん』と金属音が聞こえ、そこに目をやると鍵が落ちていました。
どうやら、ガラケーの間に鍵が挟まっており、ずっとポケットの中にあったようです。
鍵が見つかったという安堵と同時に、もっと落ち着いていれば良かったと心から後悔しました。
今は、同じ事があっても大丈夫なように財布の中に合鍵を入れて、万が一にも無くした時は財布の鍵を使っています。”

鍵 北九州